ウェブサイトで改善すべきページの探し方とは?加重直帰率と離脱改善指標を使おう

ウェブサイトの運営をしていると、ユーザーが帰ってしまいやすいページがどれか気になりませんか?

アナリティクスツールを使って直帰率や離脱率を測定し、ユーザーが離れやすいページがあれば改善していきたいところですが、具体的にどのページから改善すべきか考える際にはコツがあります。

今回はそのコツについてお伝えしていきます。

改善の優先度を決める時の問題点

例えば、ページAとページBがあって、どちら1つだけ直帰について改善出来るとします。

  • ページA:月間SS 100万、直帰率20%
  • ページB:月間SS 10、直帰率80%

あなたならどちらを改善しますか?

率だけ見ると本質を見誤る

ここで言いたいことは、直帰率20%と直帰率80%を比べて、「80%を改善すべきだ」と判断してしまうことの危うさです。

ページBはSSが10しかないので、仮に直帰率80%→0%まで改善したとしても、その改善インパクトは8SS程度に留まります。

逆にページAの直帰率を20%→18%に改善したと仮定すると、改善インパクトは2万SSにも及びます。

  • ページA:直帰率20%→18%に改善 20,000SS改善
  • ページB:直帰率80%→0%に改善、8SS改善

つまり、率だけでは「どちらが改善すべきページなのかが分からない」ということが問題となるのです。

分析イメージ

加重直帰率と離脱改善指標

この率と量の問題を改善するのが「加重直帰率」と「離脱改善指標」という指標です。

この2つは基本的な理屈は同じでPVによって、サイト内における重要性を”重み付け”している指標になります。

以下の計算式で計算します。

加重直帰率:(直帰セッション数÷セッション数)×(PV÷サイト全体のPV)

離脱改善指標:(離脱数 – 直帰数)×(離脱数 – 直帰数)÷ ページビュー数

いずれも計算の結果、数字が高い方が「改善すべきページ」として判断される指標となります。

以下では1つずつ、詳細に見ていきます。

加重直帰率

先に挙げたように、加重直帰率の計算式は

加重直帰率:(直帰セッション数÷セッション数)×(PV÷サイト全体のPV)

式の前半は直帰率と同じなので、言い換えると

直帰率×(PV/サイト全体のPV)

となります。直帰率にPVで”重み付け”を行っているわけです。

先ほどの直帰率20%のページAと直帰率80%のページBを例に挙げて、仮にサイト全体のPVが1000万PV、ページAが400万PV、ページBが100PVだと仮定しましょう。

ページA:加重直帰率=直帰率20%×(400万PV/1000万PV)=8%
ページB:加重直帰率=直帰率80%×(100PV/1000万PV)=0.008%

8%>0.008%とページAの方が加重直帰率が高い結果となりました。

この場合、「加重直帰率の高いページAを先に改善すべき」となります。しかもその優先度合いは8%と0.008%と大幅な差がありますので、ページAの優先度は非常に高いと言えます。

このように「どのページから改善すべきか」を考えるにあたって、利用する指標が加重直帰率になります。

重み付けってどういう意味?

“重み付け”と表現しましたが、統計的な処理に馴染みが無いとどのようなものかイメージしづらいと思います。

重み付けが用いられる身近な場面としては、人事評価などがあります。

例えば、ある会社では売上数字に応じて人事評価ポイントが付与されます。しかし、元々引き継いでいる既存顧客の有無に応じて、同じ100万円でも達成しやすさが異なってきます。

そこで新規売上の金額に応じてS~Dの評価ランクを付けて、人事評価ポイントに2.0~0.8までの数字を掛け算することにしています。

これが”重み付け”という考え方です。

重視すべき基準(ここでは「新規売上」)に応じて、重視すべき人物に対して評価を厚くする処理が入っているのです。

この処理を”加重”と呼んだりもします。

加重直帰率は、重視すべき基準として(PV/サイト全体のPV)を挙げて、掛け算しているわけです。

PVで重み付けするのは正しいのか?

この話をする時によく疑問として挙がるのが、「直帰率」はセッションをベースとしているのに、加重の処理をする際にPVで重み付けをしているのに違和感がある、という点です。

これに対する回答としては「PVは重複しないので誤差が少ない」という点です。

アクセス数を算出する指標として、PV,SS,UUと種類がありますが、ページに対して重複しないのはPVのみとなります。

例えば、1セッションでページA→ページBと遷移した場合、全体:1SS、ページA:1SS、ページB:1SSとなります。

人によって「全体」の解釈を間違えてしまうと、ページA+ページBを単純合算して「2SS」と解釈して計算するかもしれません。

また、場合によって「全体:1SS」がデータとして得られない場合に、判明しているページA+ページBを単純合算して計算するかもしれません。

重み付けそのものは、どんな数値で行っても良いので間違いではないのです。しかし、公式として提示するならば、人や場合によって解釈や計算結果が異なるようなものはあまり提示すべきではありません。

そう考えると「PVで処理すること」は、様々な場面に対応しやすい意味で有効となります。

つまり、各ページごとの(PV/サイト全体のPV)を合計したら、必ず1=100%となるような公式となっています。そっちの方が多くの人に理解されやすいのです。

離脱改善指標

加重直帰率は「直帰率」に対する加重処理でしたが、「離脱率」に対する加重処理に”離脱改善指標”と呼ばれる指標があります。

離脱改善指標:(離脱数 – 直帰数)×(離脱数 – 直帰数)÷ ページビュー数

式のイメージを掴むと 離脱率×離脱数 が近い感じでしょうか。離脱率に対して、離脱数を基準とした加重処理を行っているイメージです。

離脱と直帰を区別する

この式の最大の特徴は(離脱数 – 直帰数)という部分にあります。

離脱の中には直帰が含まれていますが、ここでは離脱と直帰を別物として、「直帰ではない離脱」を算出して使っています。

この理由は「離脱と直帰では改善すべき点が異なるから」です。

直帰は流入経路とのズレ(例えば広告とサイトの内容の不一致やSEOのキーワードとページの記事内容など)を改善するのがメインとなります。

一方離脱はUI(次の記事への導線配置)やコンテンツそのものの改善などがメインとなり、改善ポイントが違うのです。

先ほどのページA、ページBを例に挙げてみます。ページAの離脱率を6%、ページBの離脱率を10%とします。

ページA:離脱改善指標=(24万-20万)×(24万-20万)÷400万PV=0.04
ページB:離脱改善指標=(10-8)×(10-8)÷100PV=0.04

と計算の結果双方0.04となり、ページBの方が離脱率は高いにも関わらず、離脱の改善についてはページAとBの優先度は同じという結論になりました。

まとめ

どのページから改善するかを考える際、直帰率や離脱率では指標として不足していること、専用の指標として加重直帰率と離脱改善指標があることを紹介しました。

ぜひこれらの指標を用いて、優先度をもってページの改善に役立ててください。

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