カスタマージャーニーとは?ユーザーの活動の流れについてマップを作ってみよう

カスタマージャーニーとは?

顧客が商品を知って購入する一連の流れを「カスタマージャーニー」と言います。

商品を通じて顧客が経験する「顧客体験」を、旅になぞらえて考えているわけです。カスタマー=顧客、ジャーニー=旅。

この顧客体験の一連の流れを、マップ=図に落とし込んで、理解・共有化を図るフレームワークを「カスタマージャーニーマップ」と言います。

カスタマージャーニーマップの目的

カスタマージャーニーを可視化することの一番の目的は、現状の共有化です。

カスタマージャーニーマップがよく出てくる文脈としては「UX・UIの改善」が挙げられます。

UX=カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)、UI=ユーザーインターフェース(Webサイトやデバイスの使い勝手)の改善を考えるにあたって問題になりがちなのは、「ヒトによって意見が違うこと」です。

例えば、右手で操作するために右側にボタンを配置すると右利きの人にとっては便利かもしれませんが、左利きの人にとっては不便になっているかもしれません。

また、そもそもボタンの配置は問題ではなく、入力項目を少なくすることが問題と捉える点もいるかもしれません。

そういった情報がきちんと握れていない場合、あちこちから修正の指示が飛んで直したり戻したりする羽目になる……そんな事態がよくあります。

このように、様々な個々人の考え次第となっていることを解消するために、情報の共有化を図るものがカスタマージャーニーマップです。このマップは、より充実した顧客体験を実現させるための土台として活用されます。

現状の一連の体験の流れを可視化して、論点を明らかにして共有化することが最大の目的となります。

カスタマージャーニーマップの項目

マップを作成するにあたって必要な項目を見てみましょう。

カスタマージャーニーマップ例
カスタマージャーニーマップ例

ペルソナ

まず最初に必要なのは、お客様が「どんな人か」という点です。

ペルソナ分析と組み合わせて、ペルソナ分析で設定したユーザーをそのまま用いましょう。

ペルソナ分析とは?具体的なやり方や情報収集手法をご紹介 | ウェブ解析ナレッジ

ペルソナ分析は「典型的な顧客像」を洗い出してチームで共有するフレームワークです。特にUI改善やインサイトに基づく施策を行う場合、関係者間の認識齟齬が起きないようにする意味で非常に重要な考え方です。具体的な手法をご紹介するのでご参考ください。

フェーズ

カスタマージャーニーの大きな流れの中で、どの位置づけに居るかを端的に表す言葉です。

カスタマージャーニーのフェーズおよびステップのイメージ

例えば、「認知」や「商品を探す」などの言葉で表現される役割のようなものです。

ステージやステップと言ったりもします。

タッチポイント

どのチャネル、タッチポイントで自社とユーザーが接しているかを記載します。

カスタマージャーニーのチャネルとタッチポイントのイメージ

チャネルとタッチポイントの違い

チャネルとはChannel(チャンネル)という言葉を指す用語で、マーケティングの文脈では流入経路や媒体を指します。

対して、タッチポイントは、サービスや商品がユーザーと接する点、という言葉で表現されます。

例を挙げると、自社サイトを通じて商品AとサービスBを紹介していたとしたら、チャネルは「自社サイト」、タッチポイントは「商品Aの紹介ページ」と「サービスBの紹介ページ」の2点、という具合でしょうか。

また、そのまま商品Aを購入して、自社サイトのカスタマーサービスでQ&Aを参考していたとしたら、チャネルは「商品A」→「自社サイト」、タッチポイントは「商品A」→「Q&Aページ」などとなります。

チャネルとタッチポイントを分ける理由は?

なぜこの2つの概念を分けているかと言うと、チャネルは「変更」が検討されることで、タッチポイントは「改善」が検討されることだからです。

上記を例とするなら、チャネルは「自社サイト」ではなくて「PDFファイルにしてステップメール配信」の形にするとか、「SNS」の形にする、など販促の方法変更が議論として挙がります。

一方、タッチポイントは「商品Aの紹介ページ」の紹介すべき点を改善するとか、UIが良くないからページレイアウトを改善するとか、ユーザーとの接する点をピンポイントで変更することが検討されます。

施策立案時に異なるポイントで議論されるため、2つの概念を分けて整理されるのです。

行動

ユーザーが実際に行うアクションです。

カスタマージャーニーの行動と感情と思考のイメージ

上記の事例ではシンプルに箇条書きをしていますが、場合によってはこの行動欄を図や矢印等を使って、詳細に厚みを持たせて行動パターンを記載することもあります。

感情

カスタマージャーニーマップ上、最も重要な要素の1つです。

ユーザーの感情の動きについて明記していきます。感情のタイミングとポジティブ/ネガティブが分かることが重要です。

できればビジュアルで分かるように記載しましょう。

思考

カスタマージャーニーマップ上、重要な要素のもう1つです。

ユーザーの冷静な思考部分について明記していきます。ユーザーの立場になって論理的な観点から損得や考えるであろう要素が分かるようにします。

課題 or 施策方針

見えてきた課題、または課題を解決するための施策方針について記載します。

カスタマージャーニーの施策方針のイメージ

「施策の実施」と「なぜその施策を行うのか」を結びつけるポイントになります。

これまでに導いてきたカスタマージャーニーマップ上の要素から導いた課題や改善ポイントを述べることで、どのフェーズの話なのか、どの要素が根拠となっているのかが明記されます。

これらは自分が分かることよりも、チーム内の共有や後々で上長に引っ掻き回されないようにするために行っているものと考えてください。

カスタマージャーニーマップの3つのポイント

カスタマージャーニーマップは他のフレームワークには見られない特徴的な3つのポイントがありますので、これらを押さえて作るとより良くなります。

①始点と終点で範囲を決める

旅には始まりと終わりがあるように、カスタマージャーニーにも始点・終点の概念があります。

他の多くのフレームワークが商品の認知から購買(またはアフターサービス)までを考慮範囲としているのに対し、カスタマージャーニーは「商品認知以前」や「商品・サービス終了後」など「商品・サービスと関わらない部分」を考慮範囲とすることが出来ます。

例えば「商品を買った」「問い合わせをして、カスタマーサポートの対応が良かった」などは直接的な商品・サービス部分、「サービスを受けたことをSNSに投稿したら反応が良かった」などは直接的なサービスではない部分となります。

直接的ではないですが、サービスに影響を受けた顧客体験の一部ですので、カスタマージャーニー上は考慮範囲に含めることができます。

これは非常に特徴的な点で、日常生活での課題点の洗い出しや後述の変化への着目などCX(カスタマーエクスペリエンス)の改善、つまり直接的ではない商品・サービス部分の価値も考慮する上で有効に働きます。

②最初と最後の変化を意識する

①とも関連しますが、カスタマージャーニーの特徴に「変化」というものが挙げられます。

途中の気持ちの変化や思考の変化などが可視化されることで、一連の体験の中でどのポイントが良かったのか/悪かったのかが見えてくるものです。

これはWebサイトの施策上では「サイトの回遊」と非常に相性が良いものとなります。

変化を捉える上では、まず「最初と最後でどう違うのか」を意識すると何が変化しているのかが見えてきます。

例えば、最初は商品を購入する気はなかったけど、最終的に購入したのであれば、どこかで「よし、買おう」と変化したポイントがあるはずです。

その変化を捉えられるのは、カスタマージャーニーマップのポイントになりますので有効に活用してください。

③感情と思考を分けて作る

変化については、「感情」と「思考」を分けて記載していくとよりベターです。

例えば「感情」では「この商品欲しい」と感じるけれども、「思考」では「値段が高いな」と考えている、などです。

この例でも分かるように、通常の購買行動においては、感情が盛り上がっても、思考が反対方向へ押し返します。逆に、思考が購買方向へ向かっても、感情が同じ方向へ向かわないと中々購買には至りません。

例えばゴルフクラブなどで、性能上はAのブランドがベストであっても、気持ち的にはBのブランドが良いなぁ(スペックは全然合わない)などです。

基本的には、感情と思考が揃って「購入」の方向に向かった時に、購入行動へと近づきます

なのでこれらを分けて記載を行い、より具体的に購買行動を阻害している要因は何かを考え、それに対応するための施策を考えることが効果的なカスタマージャーニーの考え方になります。

感情:「この商品欲しい」、思考:「値段が高いな」であれば、値引き施策やポイント還元施策などが中心になりますし、感情:「ブランドの好みがイマイチ」、思考:「性能は申し分ない」であれば、良い感情を想起させるブランド作り施策が中心になります。

まとめ

近年のウェブサイト系の施策やUX関連の施策は、カスタマージャーニーを基本としてます。

ぜひカスタマージャーニーマップをコツと共に覚えて活用するようにしてください。

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